飽和する作品たち

 今の音楽は、たとえば中島みゆき、それも全盛期の中島みゆきや、全盛期のブルーハーツや、そういった過去の作品とカラオケという戦場で直接戦っている。基本的に勝ち目のない戦いだ。

 漫画はどんどん進んでいる。手塚治虫より、さいとうたかおより今の漫画のほうが、少なくとも画は格段に美しくなった。話の面白さだってそう負けてはいない。

 漫画喫茶やなんかで古本がライブラリ化され簡単にアクセスできるようになっている。デジタル化されネットワーク越しにダウンロードすると、漫画は劣化するけれども、それでも過去の作品に手軽にアクセスできるようになれば、やがて市場は過去の作品に侵食されていくだろう。多分これ以上画はきれいになりようがないので厳しい戦いになる。

 ゲームはもう過去の作品に完全に食われてしまったように見える。新作を買うより評価の高い旧作をダウンロードしてエミュレータで実行した方が楽しめるのは明らかだ。技術は進んでるんだが、ソフトウェアとして進んでない。むしろ退化している。3Dは失敗だったんだよ認めろよ。大転換しろ。