僕は、彼女と付き合いつつも、一流大学を目指すことにした。


それは、攻略上からすると、あまり意味があるとは言えないのだが、僕はそう決めたのだ。


そして、彼女と遊びに行く回数を少し減らして、勉強に精を出すことにした。


きっと彼女は、わかってくれると信じたのだ。


そして、彼女は、あまりいい顔をしないのだが、朝日奈さんをたびたび図書館や美術館へと誘った。


そうすることにより、少しづつ、彼女がアカデミックなものに興味を持ってくれると思ったからだ。


彼女の人生の視野を広げるのに役立って欲しかったのだ。


勿論、僕は彼女が流行を追い求めるのを否定する訳ではない。


彼女は、常に輝いていたいのだ。


彼女が歌っているように、それは「親のためでも、男のためでもない」。


彼女もまた、精一杯自己を高めようとしているのだ。


僕は、彼女と校門で出会うと、時には「寄り道は駄目だ」と諭してみたりもした。


それが結果的に彼女の好感度パラメータを下げるということは、もはや問題ではない。


「僕には僕の考え方があるし、僕達は意見が違うところもあるけれど、それでも、僕は君が好きなんだ。」と朝日奈さんに言ってあげることが必要なのではないだろうか?


そして、お互いを認識しあうことから、二人で更なる高みを見据えることができるのだ。


僕が、朝日奈さんの好感度を下げるような行動を取ると、彼女は怒ったような顔を見せたが、僕はその時初めて、「それでいいんだ」と思えることができた。


何故なら、僕は、少し怒った彼女の顔のその瞳の奥に、「自分は傷つかずに、人を愛することなんてできないんだ」と気付いた時の優しさを、はっきりと見つけていたからだった。