論述のテクニック

 あることを正しいと言う時の手っ取り早いテクニック。

その1:(権威あるAさんの言葉を引用し)Aさんがこう言っていたから正しいと言う
その2:読者が正しいと思いたがっていることを正しいと言う

 どちらでも正しいように感じさせることが出来るが、どちらも同程度にインチキだ。同じように批判の方法としては

その1:(権威のないAさんの言葉を引用し)Aさんがこう言っていたのは間違っていると言う
その2:読者が間違っていると思いたがっていることを間違っていると言う

 こういうのも通りやすい。こういうのはなぜ正しいのか、なぜ間違ってるか言わなくとも正しい感じ、間違ってる感じがするものなので、そこにつけられた根拠は本当に正しかったり本当に間違っていたりしなくてもいい。適当にそれらしく書いていれば正しい感じがしたり間違っている感じがしたりする。こういった文章は人を惑わす害悪であり、人がもともと正しいと感じるようなことを正しい、間違ってると感じるようなことを間違ってると言うだけなので情報としても意味がない。分かってることを再確認しても大体の場合は時間の無駄だ。

 書くべき文章はこういったものだ。

その1:(権威あるAさんの言葉を引用し)Aさんは間違っているという

 権威あるAさんが見た感じ間違ってそうなことを言っている場合は書いても意味がない

その2:読者が正しいと思いたがっていることを間違っているという

 常に意味がある

その3:(権威のないAさんの言葉を引用し)Aさんがこういっていたのは正しいと言う

 Aさんが見た感じ正しそうなことを言っている場合は言ってもしょうがない

その4:読者が間違っていると思いたがっていることを正しいと言う

 常に意味がある