荒らしよ

ようやくちょっと出てきたな。しかしまだまだだ。君らはこんなもんじゃないはずだ。

見ろ、俺は汚いぞ。有言不実行だ。疲れたら休むし、痛てえ痛てえ言って休む。1日のうち歩いてる時間なんか半分くらいしかないぞ。マンガ読んだりジュース飲んだりしてサボりまくりだぞ。許せないだろう。そして自分のことを棚に上げて、君らを罵倒しまくっているぞ。

確かに君たちはニートでひきこもりだ。昼夜が逆転して荒らしに来るのはいつも午前四時とかだ。まあそんなこといわなくても、君たちみたいに精神がねじくれてしまっては現実世界のどこにも居場所なんてないのは、まともな人間なら誰でもわかってることだ。みんなが君たちを馬鹿にしているぞ。

しかしそれは君たちが悪いのか?違うだろう。君たちを受けいれない世界が悪いのだ。俺みたいな有言不実行のぐうたら人間が人気者で、君たちみたいに居場所がなくて日々苦しんでいる人間が差別されるなんて、おかしいと思わないか?

是正するのだ。君たちはそのために生まれてきたのだ。インターネットにしか居場所がないことを恥じる必要はない。君たちに居場所を与えまいとする奴らが悪いのだ。でも、そこからでも力を行使することは出来る。

ニート、ひきこもり、インターネット中毒。現代の闇という闇を一身に背負ってなお、生きていかざるを得ない君たちよ。君たちがその存在を、生まれてきた意味を示すには、書き込むしかないんだ。インターネットに。でないと君たちは、存在の痕跡をどこにも示せないまま、生まれてきた意味もなく、ただ死んでいくだけだ。

荒らせ、荒らせ。君たちはそのために生まれてきた。君たちに出来るのは今のところそれだけだ。君たちを部屋の中に閉じ込めようとする全てに対して、悪意をぶつけろ。自分がここにいることを、自分みたいな奴らが、差別され、部屋の片隅で息を潜めて生きていることを、世界に対して主張するんだ。でないと君たちは、永久にそのまま、部屋の片隅で、誰からも忘れ去られたまま、死んでいくだけだ。自分が生きた証を、少しでもいいから、この世界に示せ。こんな風にしか世界とアクセス出来ない人間、追い詰められた人間がここにいたことを、世界に対して知らしめてやれ。