ウイルスと突然変異、神と宇宙

 ウイルスが突然変異するなら、なぜ死亡率100%で感染力も強いものがぱっと生まれないんだろうな。鳥インフルエンザが人から人に感染したのが確認されたらしいけど、たとえば突然、全動物に空気感染して死亡率100%のウイルスが出てくれば地球上の全動物は死滅していたはずだ。

 突然変異はランダムなんだろうけど、突然変異の効果範囲はランダムじゃないのだろう。それこそ生物がうまいこと進化していけるように、いきなり絶滅することがないような形に調節されている。DNAやウイルスといった現行の方式以外の進化の仕組みがいくつも生まれては試され、消えていき現行方式が残ったとするならダーウィンの考え方にも首肯できるのだが、そういったことがあった痕跡はない。DNAという形式がいきなり現れ、それがたまたまうまくいったのか、DNAという形式でもうまくやっていけるように、突然変異をあまりおこさないような生殖方式をもった種が生き残ったのか。それでも突然変異がランダムであると考えるのか。このランダムはよく調節されていると俺は確信している。DNAという形式が自動機械のように動いたとして、突然変異をあまり起こさない形に自動的にたどり着いたんだとすればそれはDNAがもともとよく調節されていたことになる。DNAは神が調律したと考えざるを得なくなる。

 DNAのような形式でも、また別の形式でも、複写され遺伝するうちに淘汰されランダムが押さえ込まれ適正な形になるんだとすれば、そのような世界が、宇宙が神によって調律されていたといえないか。生命が存在し継続する以上そこに神の調律を見出さないことは不可能なのではないか。

 宇宙がいくつも生まれては消えていき人間のような知的生命が存在できる状況にたどり着いたから我々に知覚されているんだ、つまり宇宙も淘汰されているんだと考えればダーウィンの考え方も首肯できるのだが、しかし神がいないとすればランダムとするこの二元論的考え方がそもそもおかしいんじゃないか。ランダムがしっかりランダムじゃないことに神の意思を見出すのはおかしいんじゃないか。神がいないにしても、宇宙がランダムに発生する必要なんかあるのか。