意味について

 コンピュータはいまだ日本語を理解することも話すことも出来ない。意味は数値化できないからだ。論理に出来るのは文をtrueと仮定したときに他の文がtrueかどうかを調べるだけ。文が何を意味しているのかは分からない。

 ゲームというのは意味を数値化する枠組みだ。数値が意味を持ち意味が数値を持つ。その世界においては、コンピュータでも言葉を話すことが出来る。コンピュータが「スライムAに3のダメージ」といった時、コンピュータはスライムAに3のダメージが与えられたことを理解している。その世界の数値化された意味についてコンピュータは余すところなく理解し、必要とあらばなにが起こったかを全て説明できる。コンピュータはその世界の意味を理解し言葉を話すことが出来る。それは日本語とは違うが、その数値世界で起きたことの記述としては完全なものだ。数値の意味を組み合わせて物語だって生成できる。現実世界のシミュレートであったり、自然言語であったりするような物語とは違うけれど。