グルメバトルマンガ

百巻以降の美味しんぼに代表される、食べたものの栄養が筋肉の質などの差となってバトルの結果に影響する正統派から、焼きたて!!ジャぱんに代表されるような、食べ物で直接ダメージを与える異端児まで、グルメバトルマンガは現在数限りなくあるが、多くの格闘技マンガがグルメバトルマンガに転向する中で、板垣だけはそういうのに目もくれなかった。

そもそも彼は、おそらく意図的に、格闘技の科学的理論を学ばなかった。ライバル達がパンクラスなどに足しげく通う中で、板垣だけはそういうのと徹底的に無縁に己の道を貫いた。

その結果としてバキワールドが生まれたわけだが、同時に破綻の目も内在していた。

そして彼はスランプに陥った。スランプからの脱出法も彼独自のものだった。そもそも彼は、脱出しようとしなかったのだ。

板垣死すとも自由は死せず、などと叫びながら、マンガ家達を闇討ちしたのだ。タフの猿渡、ホーリーランドの森、タカヤのあいつ…は狙わなくても良かった気がするが、そういったリアル系といわれる格闘マンガ家達を次々に闇討ちした。やられた者達は腕に覚えのあるやつらばかりだったのに、皆一様に「きょ…じ…ん…」というダイイングメッセージを残していたのが気がかりといえば気がかりだ。結局板垣自身はそれとは関係なかったことが明らかになり、犯人はジャイアント・シルバだったのだ。